植物ホルモンとは 植物の生長や分化は、光、温度や土壌などの外的要因とともにオーキシン、サイトカイニン、アブシジン酸、エチレン、ジベレリンなどの植物ホルモンにより制御されています。その中でもオーキシンは最も古くから知られており、細胞伸長と細胞分裂を調節して多彩な生理作用を示すことが知られています。過去10年のモデル植物であるシロイヌナズナを用いた分子遺伝学的な研究からオーキシンの生合成、輸送、信号伝達、代謝経路の基本的なしくみが分子レベルで明らかとされてきました。しかしながら、地球上には多様な植物種が存在し、それらの生活環や形態は極めてバラエティーに富んでいます。それら多様な植物でのオーキシンを中心とする植物ホルモンの働きについてはまだまだ分からない点が多いのが現状です。 詳細はこちら
オーキシンとは オーキシンは植物の成長や形態形成で中心的な役割を果たす植物ホルモンであり、光や重力に対する植物の屈性に関与します。そもそもオーキシンは進化論で有名なCharles Darwinとその息子のFrancis Darwinのダーウィン親子が光屈性について研究する過程で、発見されたものである。芽生え(幼葉鞘)の先端には光を感応する部位であり、光に反応する特定の物質が下部に伝達されて陰側の成長を促進します。この成長促進物質がオーキシンと名づけられました。物質としてのオーキシンで、最初に同定されたのがインドール-3-酢酸(IAA)です。その他に、植物には、フェニル酢酸やマメ科の未熟種子等に含まれる4-クロロインドール-3-酢酸が内生のオーキシン(天然オーキシン)として見出されています。一方、農薬として開発された合成オーキシンとしては、ナフタレン酢酸 (NAA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 (2,4-D) がよく知られており、発根促進剤や除草剤などの農薬として利用されている。 これらのオーキシンは植物細胞の伸長、細胞分裂の促進を調節し、その結果、発根促進、単為結実の促進、カルス形成などを誘導します。オーキシンによる植物細胞の伸長、細胞分裂は、もちろん、遺伝子の発現により引き起こされます。オーキシンSCF(TIR)経路を介したユビキチン-プロテアソーム系に より、Aux/IAA転写抑制因子の分解促進することで、遺伝子発現を調節します。 詳細はこちら
化学生物学とは 生命現象の解明には、いろいろな研究アプローチがありますが、最近、Chemical Biology という学際領域が活発に なってきており、この分野で、相次いで学術誌が創刊されています。このChemical Biologyとは、化学的な手法で、 生命現象の解明にアプローチをしようという動きです。今までに、医薬の開発を目的として、さまざまな、受容体拮抗 剤や酵素阻害剤 (バイオプローブ)が開発され、それらを利用して、新たな生命現象の解明が行われてきた。しかしながら、あくまで、医薬としての開発が主流であったため、植物へのこれらバイオプローブの利用は、哺乳類に対して 開発されたバイオプローブが用いられ、はじめから、植物に対するバイオプローブとして開発されたものは、限られ ていました。そこで、植物に対する”専用”のバイオプローブを開発しようとする研究が注目を浴びています。 私たちの研究室では、この植物に対する”専用”のバイオプローブの 探索・活用し,植物ホルモンが関わる植物の成長調節の仕組みを解き明かすことを目標としています。とくに,オーキシンのケミカルバイオロジーについては,学術的に価値の高い,世界でも最先端の研究を目指しています。 詳細はこちら
新着情報
20160801
Auxin 2016に参加します。
20160601
momilactoneの論文がScientific Reportsに掲載されました。
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