真正粘菌の研究

変形体

子実体(胞子)

アメーバ
真正粘菌(Physarum polycephalum)は、森などの湿った場所に生育している真核生物で、環境の変化に応じて,多核変形体、胞子、アメーバなどの異なる形態に変化します。このような形態変化は,光や水分,化学物質などの刺激が細胞のタンパク質に伝達された結果です。形態が変われば,新しく発現するタンパクもあり、反対に消えていくタンパクもあります。タンパク質の,あるいはそれをコ-ドする遺伝子発現のどのような変化が,形態というマクロの変化を引き起こすのか。私たちはこの生命の不思議の一端を探りたいと思っています。
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 2. テクトニンタンパクの研究

現在のところ,テクトニンは真正粘菌でのみ発見されているタンパク質で,その機能は,まだ分かっていません。しかしながら,Gタンパクにみられるような構造的特徴をもつので,細胞内シグナル伝達に関与していると想定してます。細胞内でどのようなタンパク質と相互作用するのか,結果,どのような変動を引き起こすのか,大いに興味のあるところです。
(尾川雅俊) 

 3. コロニンタンパクの研究

テクトニンと良く似た構造を持つタンパク質です。このタンパク質は,最近,細胞性粘菌で見つかって以来,ほ乳類をはじめ多くの真核生物で発見されてきています。私たちは,一昨年,真正粘菌にもコロニンが存在することを見つけました。コロニンは,細胞運動や細胞分裂など,様々な生命現象に関わることが知られており,細胞骨格のアクチンと結合性をもつことが分かっています。真正粘菌では,どのような役割を担っているのか,明らかにして行きたいと考えています。(石原正晃)

 4. 真正粘菌の発現ベクターの構築

真正粘菌は発生学などのモデル生物でもありますが、残念ながら、外来遺伝子を真正粘菌内で上手く発現させるためのベクターがありません。そこで、私たちは発現ベクターの構築を行っています。(ーー)
 1. β-グルコシダ-ゼの研究

真正粘菌には,局在の異なる3種のβ-グルコシダ-ゼが存在します。そのうちの1つは,今までのβ-グルコシダ-ゼにはみられない新しいタイプの酵素であることが分かってきました。残念ですが,詳しいことは論文作成中ですのでお話出来ません。今もっとも,エキサイティングなテ-マの一つです。(早勢理人)